給湯器の水抜きを自分で行う方法と注意点

給湯器の水抜きは、凍結や故障を防ぐために欠かせない作業です。特に冬季や長期間家を留守にする場合は、給湯器内部や配管に残った水を抜いておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。この作業は自分でも行えますが、適切な手順と注意が必要です。この記事では、給湯器の水抜き方法や注意点、作業後の対処方法について詳しく解説します。

水抜きが必要なタイミング

寒冷地での使用

気温が0℃以下になる地域では、給湯器内部や配管内の水が凍結してしまう可能性があります。これにより、内部のパイプが破損するなど重大な故障を引き起こすことがあるため、水抜きを行うことが重要です。

長期不在時

冬場に旅行や帰省などで家を空ける場合、家全体の水道を閉めるとともに給湯器の水抜きを行うことで、寒波などによる凍結のリスクを避けられます。

メンテナンスや交換作業時

給湯器を清掃したり取り外して点検や交換を行う際には、必ず水抜きが必要になります。水が残ったままでは作業がスムーズに進まないうえ、誤作動の原因になることもあります。

必要な道具

• バケツまたは受け皿: 給湯器から排出される水を受けるために使用します。
• タオル: 水が漏れた際に拭き取るための準備として必要です。
• 取扱説明書: 給湯器の機種によって操作手順が異なる場合があるため、必ず確認してください。

給湯器の水抜きを行う手順

1. 給湯器の電源を切る

まず、給湯器本体の電源スイッチをオフにします。安全のためにブレーカーも落としてください。電源を切らないと誤作動や感電の危険があります。

2. 給水元栓を閉める

給湯器に水を供給している元栓を閉めます。これにより、作業中に新たな水が流れ込むのを防ぐことができます。元栓の場所がわからない場合は、取扱説明書で確認してください。

3. 水抜き弁を開ける

給湯器本体の側面または下部にある「水抜き弁」を見つけます。バケツを準備してから水抜き弁を開け、内部の水を排出します。水が完全に抜けるまで数分かかることがあります。作業中は水の勢いに注意してください。

4. 室内の蛇口を開ける

配管内に残っている水もすべて抜く必要があります。室内の蛇口（お湯側）を開け、流れ出る水が完全に止まるまで待ちます。この手順を省略すると、凍結の原因になることがあります。

5. 凍結防止ヒーターの確認

凍結防止機能が搭載されている給湯器の場合、水抜き後に電源を再び入れて凍結防止ヒーターが作動していることを確認します。ただし、停電時には効果がないため、水抜きとの併用が安全です。

注意点

水抜き弁の位置確認

給湯器の種類や設置状況によって、水抜き弁の位置は異なります。取扱説明書を参考に、正確な位置を確認してください。誤った部品を操作すると故障の原因になることがあります。

凍結防止機能の使い方

寒冷地向けの給湯器では、凍結防止ヒーターが標準装備されている場合があります。これを利用する場合、水抜き作業を省略できる場合もありますが、停電時には凍結のリスクが残るため注意が必要です。

作業中の安全確保

水抜き作業中に給湯器を強く揺らしたり無理に部品を動かすと、内部部品が破損する可能性があります。慎重に作業を行いましょう。

水抜き後の再稼働方法

1. 給水元栓を再び開け、給湯器に水を供給します。
2. 室内の蛇口を開けて空気を抜き、水がスムーズに出ることを確認します。
3. 給湯器の電源をオンにして、通常通り動作するかテストしてください。

水抜きを行わなかった場合のリスク

水抜きをしないまま冬を迎えると、給湯器内部の水が凍結してパイプやバルブが破裂する可能性があります。修理費用が高額になるだけでなく、完全に給湯器を買い替える必要が生じることもあります。

再発防止のための3つのポイント

• 気温が下がる前に水抜きを行う
  早めの準備で、慌てず安全に作業ができます。
• 定期的に取扱説明書を確認する
  給湯器の正しい操作手順を習得しておくとトラブルを防げます。
• 防寒対策を徹底する
  給湯器周辺に断熱材を巻くなどして、外部の冷気から守る工夫をしましょう。

まとめ

給湯器の水抜きは、冬季や長期不在時に給湯器を守るための重要な作業です。正しい手順を守ることで、凍結や故障のリスクを防ぐことができます。不安がある場合や特殊な機種を使用している場合は、専門業者に相談するのも一つの方法です。給湯器を安全に使用し続けるため、必要な時に水抜きを忘れず行いましょう。