漏水調査：漏水の原因と調査方法、依頼のポイント

漏水調査は、建物内や地中に隠れている漏水箇所を特定するための調査で、漏水による水道料金の増加や構造部分へのダメージを防ぐために重要です。漏水は早急に対処することで被害を最小限に抑えられるため、適切な調査が不可欠です。この記事では、漏水調査の主な方法や実施時の流れ、依頼する際のポイントについて解説します。

漏水が発生する3つの主な原因

漏水はさまざまな原因で発生しますが、以下のような点に注意が必要です。

1. 配管の劣化

古い建物では、水道管や給湯管の金属配管が経年劣化し、腐食や亀裂が入ることで漏水が発生します。特に築年数が経過した建物では、腐食した部分から水が漏れることが多いです。

2. 接続部の緩み

水道管や排水管の接続部分にあるパッキンやナットが緩むと、その隙間から水が漏れ出すことがあります。給湯器やタンク周辺でも、部品の緩みや劣化による漏水が発生しやすくなります。

3. 地震や工事による振動

地震や近隣での工事が行われた際、建物の配管が振動によってずれることがあり、これが原因で漏水が発生するケースもあります。特に地中にある配管や隠蔽配管の場合、振動によって水漏れのリスクが高まります。

漏水調査の主な方法

漏水調査にはいくつかの方法があり、原因や漏水箇所に応じて適した方法が選ばれます。以下は一般的に用いられる漏水調査方法です。

1. 水圧試験

概要： 水圧試験は、建物の配管に一定の水圧をかけ、圧力が下がるかどうかで漏水が発生しているかを確認する方法です。配管の耐圧性をチェックするため、新築やリフォーム後の建物でも行われます。

流れ：

• 配管内の水を抜き、圧力計を設置します。
• 規定の水圧をかけて圧力の変化を確認し、圧力が低下すれば漏水の可能性があると判断されます。

2. 音聴調査（漏水音探知）

概要： 漏水箇所から出る音を特殊な音聴棒や電子音聴機で探知し、漏水している場所を特定する方法です。漏水音が聞こえやすい環境で効果を発揮し、壁や床を壊さずに漏水箇所を確認できる点がメリットです。

流れ：

• 配管が通っている壁や床の表面に音聴器を当て、漏水箇所を調査します。
• 微弱な音を増幅して検出できるため、耳で聞き取りにくい漏水音も探知できます。

3. ガス検知法

概要： 配管内に窒素ガスなどのガスを注入し、ガスの漏れを検知して漏水箇所を特定する方法です。水が溜まりやすい場所や、隠蔽配管の漏水調査に適しています。

流れ：

• 配管内の水を抜いた後、窒素ガスを注入します。
• ガス検知器でガスの漏れを確認し、漏水箇所を特定します。

4. 赤外線サーモグラフィ調査

概要： 赤外線カメラを用いて温度変化を確認し、漏水によって周囲の温度が変化している部分を探す方法です。壁内や床下の漏水にも有効で、床や壁を開けずに調査できます。

流れ：

• 赤外線カメラを使用し、配管が通っている壁や床を撮影します。
• 配管の周囲に温度変化が確認できた場合、そこが漏水箇所である可能性が高いと判断します。

5. 色水テスト

概要： トイレや排水管の漏水調査に用いられる方法で、色付きの水を流し、漏水箇所からの色水の漏れを確認します。目視で確認できるため、シンプルかつ効果的な方法です。

流れ：

• 色水を排水口から流し、配管周囲や疑わしい場所に色水が漏れていないか確認します。
• 漏れが確認された場合、配管の破損箇所や劣化した接続部が特定できます。

漏水調査を依頼する際3つのポイント

漏水調査を依頼する際は、次の点に注意して業者を選ぶとスムーズです。

1. 水道局指定の工事店に依頼

水道局指定工事店であれば、資格を持った専門業者による調査が可能です。万が一の際にも水道局との連携がスムーズに行われるため、安心して依頼することができます。

2. 見積もりと調査方法の確認

調査内容によって費用は異なるため、事前に見積もりを依頼し、実施する調査方法や費用の内訳を確認しましょう。必要な調査方法が提示されているかも確認し、トラブルの原因に適した方法であるかを確認すると安心です。

3. 保証内容の確認

調査後の工事保証やアフターサポートがあるかも重要なポイントです。特に大規模な調査や工事が必要な場合、保証内容を確認しておくことで、後のトラブルにも対応しやすくなります。

漏水を防ぐための日頃のメンテナンス

漏水は事前のメンテナンスで予防できる場合が多いため、以下の点を心がけましょう。

• 定期的な水道メーターの確認：使用していない時間帯に水道メーターが動いている場合は、漏水の可能性があります。
• 給湯器やタンク周りの点検：水漏れが発生しやすいため、定期的に接続部分の点検を行いましょう。
• 異常な音や異臭に注意：配管から異音が聞こえたり、異臭がする場合は、早めに調査を依頼しましょう。

まとめ

漏水調査は、配管や接続部の劣化、振動などさまざまな原因によって行われます。水圧試験や音聴調査、赤外線サーモグラフィなどの方法を用い、漏水箇所を特定することが重要です。異常を感じたら早めに専門業者に相談し、早急に調査と修理を行うことで、被害を最小限に抑えましょう。