水が止まらない原因と対処法 すぐできる修理手順

水道の水が止まらないトラブルは、突然発生することが多く、日常生活に大きな支障をきたします。水が止まらないと、水道料金の増加や、周囲の水浸しによる二次被害などの問題が発生するため、迅速な対処が求められます。この記事では、水が止まらない原因と、その対処法について詳しく解説します。また、家庭でできる修理手順や必要な道具、再発防止のためのポイントも紹介します。

水が止まらない5つの原因

水道の水が止まらない原因はさまざまですが、以下に代表的なケースを挙げます。それぞれの原因を理解することで、迅速かつ適切な対処が可能になります。

1. カートリッジの劣化

多くの水栓にはカートリッジと呼ばれる部品が内蔵されています。このカートリッジが劣化すると、内部のバルブが正常に機能せず、水が止まらなくなることがあります。特にシングルレバー混合栓では、この問題がよく見られます。

• 主な症状：レバーを下げても水が完全に止まらない。
• 対策方法：カートリッジの交換が必要です。ホームセンターなどで適合するカートリッジを購入して交換します。

2. パッキンの摩耗や破損

水道の内部には、パッキンと呼ばれるシール部品があり、これが水漏れや水の流れを止める役割を果たしています。長年の使用により、このパッキンが摩耗、硬化、破損すると、水が止まらなくなることがあります。

• 主な症状：ハンドルをしっかり閉めても水が漏れ続ける。
• 対策方法：パッキンの交換が必要です。部品のサイズを確認し、適合するものに交換します。

3. バルブシートの損傷

バルブシートは、バルブが水の流れを制御する部分です。このシートが傷ついていると、水が止まらず、漏れ続ける原因になります。特に古い水栓や使用頻度の高い水栓で発生しやすい問題です。

• 主な症状：水が完全に止まらず、少量でも流れ続ける。
• 対策方法：バルブシートの研磨や交換が必要です。DIYでの修理も可能ですが、専門的な工具が必要になることもあります。

4. レバーハンドルの不具合

レバーハンドルの内部部品が劣化したり、破損したりすることによって、操作がうまくいかず、水が止まらないことがあります。ハンドルがしっかりと動かず、きちんと閉じていない場合も要注意です。

• 主な症状：ハンドルが硬くて動かしづらい、または空回りする。
• 対策方法：ハンドル内部の部品を確認し、必要なら交換します。場合によってはハンドル全体の交換が必要です。

5. 水圧の異常や配管の問題

水圧の急激な変化や、配管のトラブルが原因で水が止まらなくなることもあります。水圧が高すぎると、内部のバルブが正常に動作しなくなり、水が止まらないことがあります。

• 主な症状：複数の水栓で同時に水が止まらない、または水圧が異常に強い。
• 対策方法：元栓の調整や、配管の専門業者への点検を依頼することが推奨されます。

水が止まらないときの修理手順

水が止まらない場合、原因に応じて修理を行うことが可能です。以下に、一般的な修理手順と必要な道具を詳しく説明します。

修理に必要な道具と材料

• モンキーレンチ
• 六角レンチ
• ドライバーセット
• カートリッジ（交換用）
• パッキン（交換用）
• シリコングリス（部品の潤滑用）
• ウエス（布）

手順1：水の元栓を閉める

修理を始める前に、必ず水道の元栓を閉めてください。元栓を閉めることで、作業中に水が噴き出すリスクを防ぎます。元栓の場所はシンク下や屋外にあることが多いので、確認しておきましょう。

手順2：ハンドルとカートリッジの取り外し

1. レバーハンドルの根元にあるカバーキャップを外します。六角レンチまたはドライバーを使ってカバーを取り外しましょう。
2. ハンドルを固定しているネジを緩め、ハンドルを取り外します。ハンドルの下にあるカートリッジが露出します。
3. モンキーレンチを使用してカートリッジの固定ナットを外し、古いカートリッジを取り外します。

手順3：新しいカートリッジの取り付け

1. 購入した新しいカートリッジを、取り外したカートリッジと同じ位置に設置します。カートリッジが正しい向きで取り付けられているか確認してください。
2. カートリッジの固定ナットをモンキーレンチでしっかりと締め付けます。この際、強く締めすぎないように注意しましょう。

手順4：パッキンの確認と交換

1. ハンドルを取り外した際に、内部のパッキンも同時に確認します。劣化が見られる場合は、新しいパッキンに交換しましょう。
2. 新しいパッキンにシリコングリスを薄く塗布してから取り付けることで、より密閉性が向上し、水漏れの防止に役立ちます。

手順5：ハンドルを元に戻し、元栓を開けて動作確認

1. ハンドルを元の位置に戻し、ネジでしっかりと固定します。カバーキャップも忘れずに取り付けてください。
2. 水の元栓を再び開け、レバーハンドルの動作を確認します。水が正常に止まるか、漏れがないか確認してください。

専門業者に依頼する際の注意点

自分で修理するのが難しい場合や、原因が特定できない場合は、専門業者に依頼するのが最善です。業者に依頼する際の注意点も確認しておきましょう。

業者選びのポイント

• 実績と評判：インターネットや口コミサイトで、信頼性のある業者を選びましょう。
• 費用の確認：複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較することが大切です。
• 保証内容の確認：修理後の保証があるか確認しておくと、再度問題が発生した際も安心です。

依頼前の準備

• トラブルの状況を伝える：水が止まらない場所や、発生している症状を詳しく伝えましょう。
• 写真を撮っておく：問題箇所の写真を撮影し、業者に状況を共有すると、作業がスムーズに進みます。

水が止まらないときの4つの再発防止策

水が止まらないトラブルを再発させないためには、日常的なメンテナンスと点検が重要です。以下の方法で、トラブルの発生を未然に防ぎましょう。

定期的な点検

定期的に水栓の状態を点検し、ハンドルの動きがスムーズか、パッキンやカートリッジに劣化がないか確認しましょう。異常があれば、早めに部品を交換することで、大きなトラブルを防げます。

• 年に1〜2回の点検がおすすめ：特に使用頻度の高いキッチンや洗面台の水栓は、こまめなチェックが必要です。

水垢やゴミの除去

水栓の内部に水垢や異物が溜まると、カートリッジやバルブの動きに支障をきたすことがあります。定期的にクエン酸などの洗浄剤で掃除し、汚れを取り除きましょう。

• 月に一度の掃除を心がける：日常的に掃除することで、部品の劣化を防ぎます。

水圧の調整

水圧が高すぎると、内部の部品に負担がかかり、故障の原因になります。水道メーターのバルブを調整して、水圧を適正範囲内に保つようにしましょう。

• 水圧の適正範囲は0.1〜0.75MPa：水圧が高すぎる場合は、元栓で調整します。

消耗品の定期交換

パッキンやカートリッジなどの消耗品は、定期的に交換することをおすすめします。使用頻度や水質によって異なりますが、2〜3年ごとに交換するのが目安です。

• 交換時期を忘れないよう記録を残す：交換した日付を記録しておくと、次回の交換時期を把握しやすくなります。

まとめ

水が止まらないトラブルは、パッキンやカートリッジの劣化、バルブシートの損傷などが原因で発生します。迅速な修理と適切なメンテナンスを行うことで、トラブルを防ぎ、快適な生活を維持することができます。DIYで対処が難しい場合は、信頼できる専門業者に依頼し、早めの対応を心がけましょう。日常的な点検やメンテナンスを欠かさず行い、再発防止に努めてください。