ガス給湯器とタンクの役割・特徴とは？選び方と注意点

ガス給湯器は瞬間式が一般的ですが、タンクを備えたタイプも存在します。特に貯湯式ガス給湯器と呼ばれるタイプは、一度に大量のお湯を使用する家庭や施設で活躍します。この記事では、ガス給湯器とタンクの関係、貯湯式の特徴、選び方、導入時の注意点について詳しく解説します。

タンク付きガス給湯器（貯湯式）の特徴

お湯を貯めておく仕組み

貯湯式ガス給湯器は、内部または外部に設置されたタンクにお湯をためておく構造です。あらかじめ水を加熱して貯めるため、必要なときに瞬時に大量のお湯を供給することが可能です。

• 瞬間式との違い: 瞬間式は水を使うタイミングで瞬時に加熱しますが、貯湯式はタンク内にあらかじめお湯を蓄えておくため、安定した供給が可能です。

大量のお湯を必要とする家庭に最適

貯湯式は、シャワーや台所、洗濯など複数箇所で同時にお湯を使う場合に適しています。一度に大量のお湯が必要な家庭や、業務用施設（飲食店や宿泊施設など）でも活躍します。

電気やガスの種類を選べる

貯湯式給湯器は、ガスだけでなく電気や灯油を熱源にするタイプも存在します。ガスを使用するタイプは、加熱能力が高く、効率よくお湯を作れるのが特徴です。

貯湯式ガス給湯器のメリットとデメリット

メリット

1. 安定したお湯の供給
   複数箇所で同時にお湯を使用しても、瞬間式のようにお湯の温度や量が変動することが少ないです。

2. 短時間で大量のお湯を利用可能
   タンクにためたお湯をすぐに利用できるため、大人数の家族や業務用にも対応できます。

3. 設定温度の維持
   タンク内のお湯は設定温度に保たれるため、すぐに適温のお湯を使用できます。

デメリット

1. 設置スペースが必要
   タンクを備えているため、瞬間式に比べて大きな設置スペースが必要です。

2. ランニングコストが高い可能性
   お湯を貯めて保温するため、使用しない時間帯でもエネルギーが消費されることがあります。

3. 導入費用が高め
   本体価格や設置工事費用が瞬間式よりも高くなる場合があります。

ガス給湯器とタンクの選び方

使用目的に応じて選ぶ

家庭用か業務用かによって、必要なタンク容量や給湯器の性能が異なります。

• 家庭用: 家族の人数や同時使用する場所の数に合わせて選びます。一般的には100〜200リットルのタンク容量が適しています。
• 業務用: 大量のお湯が必要な飲食店や施設では、300〜500リットル以上のタンクが求められる場合があります。

熱源を確認する

使用するガス（都市ガスまたはLPガス）に対応した給湯器を選びましょう。使用地域やライフラインに応じて適切な熱源を選ぶことが重要です。

ランニングコストを考慮

エコジョーズなどの省エネ型給湯器を選ぶことで、ランニングコストを抑えられます。また、保温効率の高いタンクを採用したモデルもおすすめです。

設置スペースを確保

貯湯式給湯器は、瞬間式に比べて本体やタンクが大きいため、設置スペースが十分に確保できるか確認してください。

貯湯式ガス給湯器の設置時の注意点

設置工事のコスト

タンク付きの給湯器は、タンクと給湯器本体を接続する配管工事が必要です。また、設置場所の地盤が不安定な場合、基礎工事が必要になることがあります。

• 標準工事費: 約5万円〜10万円
• 基礎工事が必要な場合: 追加で1万円〜3万円程度

保温対策

寒冷地ではタンク内のお湯が冷えやすいため、断熱材付きのタンクや保温対策を施すことが重要です。

メンテナンスの頻度

貯湯式給湯器は、タンク内の水垢や不純物が蓄積しやすいため、定期的な清掃や点検が必要です。特に業務用の場合、メンテナンス契約を結ぶことを検討してください。

タンクなしの瞬間式ガス給湯器との比較

まとめ

ガス給湯器にタンクを備えた貯湯式タイプは、大量のお湯を安定して供給できるため、家族が多い家庭や業務用途に適しています。導入時には、必要なタンク容量や設置スペース、ランニングコストを考慮し、適切なモデルを選びましょう。また、定期的なメンテナンスを行い、給湯器とタンクを安全かつ効率的に使用することが大切です。