飛び石によるガラスのヒビの原因と対処法

飛び石によるフロントガラスのヒビは、車を運転しているときに突然発生するトラブルの一つです。特に高速道路や幹線道路で、前方の車のタイヤから跳ね上げられた小石がガラスに当たることで、小さなヒビから複雑なクラックに発展することがあります。放置すると、振動や温度変化によってヒビが広がり、修理では対応できなくなり、交換が必要になるケースもあります。ここでは、飛び石によるガラスのヒビの原因、応急処置、修理の方法、保険の活用方法について解説します。

飛び石によるガラスのヒビができる4つの原因

1. 高速道路での走行

高速道路では、前方の車がタイヤで石を巻き上げることがよくあります。特にトラックや大型車両が前を走っていると、小石が高速で飛んできてガラスに衝突し、ヒビが入ることがあります。

2. 車間距離が短い場合

車間距離が短いと、飛び石が直接フロントガラスに当たる確率が高まります。小さな石でも高速で衝突することで、強化ガラスでもヒビが入ることがあります。

3. 路面の状態が悪いとき

未舗装の道路や砂利道では、タイヤに石が挟まったまま走行することがあります。走行中に石が飛び出し、後続車のガラスに衝突するリスクが高まります。

4. ガラスの経年劣化

フロントガラスが古くなっていると、表面に小さな傷がついていることが多く、わずかな衝撃でヒビが広がりやすくなります。

飛び石によるガラスのヒビへの応急処置

1. テープでヒビを保護する

ヒビができたら、セロハンテープやビニールテープでヒビ部分を覆い、ホコリや水分が入り込むのを防ぎましょう。内部に水分が入ると、修理時にレジン（液体樹脂）が定着しづらくなるため、早めの応急処置が大切です。

2. 高速走行を控える

ヒビがある状態での高速走行は、風圧や振動でヒビが拡大するリスクがあるため、低速道路や市街地を走行するようにしましょう。

3. 温度差に注意する

冷暖房の風をガラスに直接当てないように調整し、温度変化によるヒビの拡大を防ぎます。夏場は日除けを使ってガラスの温度上昇を抑えるのも有効です。

飛び石によるヒビの修理方法

1. 補修キットを使ったDIY修理

小さなヒビやクラックであれば、市販のガラス補修キットで簡易的に修理が可能です。以下の手順で進めましょう。

• 清掃：ヒビの周囲をアルコールやガラスクリーナーで拭き、汚れを取り除く。
• レジン注入：注入器を使ってヒビの中にレジンを流し込む。
• 紫外線で硬化：日光や紫外線ライトでレジンを硬化させる。
• 仕上げ：余分なレジンを削り、表面を整える。

注意点：DIY修理はヒビが10cm以内の単純なものに限られます。複雑なヒビや視界を妨げるヒビは、専門業者に依頼しましょう。

2. 専門業者での修理

大きなヒビや放射状に広がるクラックは、専門業者に依頼するのが安全です。専門機器を使ってレジンを注入するため、耐久性の高い修理が可能です。修理後は視界がクリアになり、車検にも通ります。

修理と交換の費用目安

• 小さなヒビの修理：10,000～30,000円
• フロントガラス交換（純正品）：50,000～100,000円
• フロントガラス交換（社外品）：30,000～70,000円

ヒビが修理できるかどうかは、大きさや位置によって異なります。修理では対応できない場合は、ガラスの交換が必要です。

飛び石によるガラスのヒビに保険を使う場合

車両保険に加入していれば、飛び石によるガラスの破損は保険で補償されることがあります。保険を使う場合は、以下の点を確認しましょう。

1. 免責金額の確認
   修理費用が免責金額を超えるかどうかを確認し、自己負担額を考慮します。

2. 等級への影響
   車両保険を利用すると翌年の等級が下がることがありますが、ガラス専用特約に加入している場合は等級に影響がないケースもあります。

3. 事故証明書の不要な場合が多い
   飛び石によるヒビは事故ではないため、警察への届け出が不要で、保険の手続きが簡単です。

飛び石によるヒビを防ぐための対策

1. 車間距離を十分に取る
   前の車との距離を空けることで、飛び石がガラスに当たる確率を減らします。特に大型トラックの後ろでは注意が必要です。

2. 飛散防止フィルムを貼る
   フロントガラスに飛散防止フィルムを貼ると、飛び石による破損を軽減できます。また、万が一割れた場合でも破片が飛び散るのを防ぎます。

3. 未舗装道路を避ける
   砂利道や未舗装道路を通るときは、速度を落とし、可能であれば舗装された道路を選びましょう。

4. 日常的なガラスの点検
   日常的にガラスの状態を点検し、小さな傷やヒビがないか確認しましょう。早期に発見することで、修理費用を抑えられます。

まとめ

飛び石によるフロントガラスのヒビは、高速道路や幹線道路を走行する際に発生しやすいトラブルです。早めに応急処置を行い、必要に応じて修理や交換を行うことが安全なドライブのために欠かせません。DIYの補修キットで対応できる小さなヒビもあれば、専門業者に依頼する必要があるケースもあります。保険を活用することで費用を抑えることもできるため、車両保険や特約の内容を確認して適切に対応しましょう。