車のガラスにヒビが入ったときの応急処置と対策

車のフロントガラスや窓ガラスにヒビが入ると、走行中の振動や風圧によって、ヒビが広がるリスクがあります。早めに適切な応急処置をすることで、ヒビの進行を抑え、安全性を保ちながら修理までの時間を確保できます。この記事では、車のガラスにヒビが入った際の応急処置の手順とポイントについて解説します。

車のガラスにヒビが入る主な4つの原因

• 飛び石：高速道路や一般道で、前方の車から飛んできた小石がフロントガラスに当たる。
• 温度変化：冬場に冷えたガラスにヒーターの熱風を当てた際、急激な温度差でヒビが発生。
• 衝撃や振動：駐車中に物が当たったり、段差を超えた際の衝撃でガラスにヒビが入る。
• 経年劣化：長期間使用されたガラスは小さな傷が蓄積され、少しの衝撃でヒビが広がりやすくなる。

応急処置の重要性

車のガラスにできたヒビを放置すると、次のような問題が発生する可能性があります。

• ヒビが広がって修理が困難になり、交換が必要になる。
• 車検に通らない（特に視界にかかるヒビ）。
• ガラスが割れるリスクが高まり、走行中に危険を伴う。

そのため、ヒビが見つかった時点で早急に応急処置を行いましょう。

車のガラスにヒビが入ったときの応急処置手順

1. ヒビを清掃する

ヒビの部分にホコリや汚れが入り込むと修理が難しくなるため、柔らかい布や乾いたタオルで周囲を優しく拭きます。可能であれば、アルコールシートで軽く拭き、乾燥させます。

2. テープでヒビをカバーする

セロハンテープや透明な防水テープをヒビの上に貼り、ホコリや水分が侵入しないようにします。両面からテープを貼ると、応急処置の効果が高まります。

ポイント：

• 雨天時や湿気が多い場所では、防水性のあるテープを使うと効果的です。
• テープを貼る際は、気泡が入らないように丁寧に貼り付けましょう。

3. 衝撃や振動を避ける

走行中の段差や急ブレーキはヒビを広げる原因になります。段差はゆっくりと超えるようにし、できる限り穏やかに走行しましょう。また、強い風圧がガラスにかからないよう、高速走行を避けることも重要です。

4. 温度差に気をつける

急激な温度差がヒビの拡大を引き起こすため、冷暖房の風を直接ガラスに当てないようにします。冬場は、エアコンの風向きを下に向け、徐々に車内の温度を上げると良いでしょう。

5. 補修キットを使う（可能な場合）

市販されているフロントガラス補修キットを使えば、ヒビを一時的に目立たなくし、拡大を防げます。

補修キット使用の手順

1. ヒビの清掃：ヒビの周囲をきれいに拭き取ります。
2. レジンの注入：注入器を使い、ヒビの中に液体樹脂（レジン）を入れます。
3. 紫外線で硬化：紫外線ライトや日光でレジンを硬化させます。
4. 仕上げ：硬化したレジンの余分な部分を削り、滑らかに整えます。

注意：補修キットは、小さなヒビや浅いヒビに対して有効ですが、ヒビが大きい場合や複雑な形状の場合は、専門業者に依頼する必要があります。

ガラス修理が必要なケースと交換の判断基準

• ヒビの長さが10cm以上ある場合、補修では対応が難しいため交換が推奨されます。
• 視界にかかる部分のヒビは安全性に問題があるため、修理ではなく交換が必要になることが多いです。
• フロントガラスの端にできたヒビは広がりやすいため、早めの交換を検討しましょう。

ガラスの交換費用の目安

• 国産車のフロントガラス（純正品）：50,000～100,000円
• 国産車のフロントガラス（社外品）：30,000～70,000円
• 輸入車のフロントガラス：80,000～200,000円

交換費用は、車種やガラスの種類によって異なります。また、ガラス交換は自動車保険が適用される場合があるため、保険会社に問い合わせて確認しましょう。

応急処置後の対応と修理依頼のポイント

1. 早めに専門業者に相談する

応急処置はあくまで一時的な対策です。ヒビの拡大を防ぐために、専門業者での修理や交換を早めに行いましょう。放置するとヒビが広がり、修理費用が高額になることがあります。

2. 保険の適用を確認する

車両保険に加入している場合、フロントガラスの修理・交換が保険でカバーされることがあります。ただし、免責金額や等級の影響があるため、事前に保険会社に確認しましょう。

3. 車検前のチェックも忘れずに

フロントガラスにヒビがあると車検に通らない可能性が高いため、修理や交換は車検前に済ませておくことが重要です。

まとめ

車のガラスにヒビが入った場合、早めに応急処置を行うことで、ヒビの拡大を防ぎ、安全性を確保できます。テープでの保護や振動を避ける工夫を施し、必要であれば補修キットを使って対応しましょう。ただし、ヒビが大きい場合や複雑な形状のヒビは、早めに専門業者に相談し、修理や交換を行うことが大切です。また、保険が適用できるかどうかを確認し、車検前に修理を済ませることで、スムーズな対応が可能になります。