車のガラスのヒビは車検に通るかの判断基準と対策法

車のフロントガラスにヒビがあると、車検に通らない可能性が高くなります。ヒビの位置や大きさによっては、安全運転に支障をきたすと判断されるため、事前の確認と対策が重要です。本記事では、ガラスのヒビに関する車検の判断基準と、DIYでできる補修方法、修理・交換の費用について解説します。

フロントガラスのヒビと車検基準

車検では、フロントガラスの状態が運転の安全性に問題を及ぼさないかどうかがチェックされます。特にヒビがある場合は、視界の確保やガラスの強度に影響を与えるため、不合格となるケースがあります。

車検に不合格となるヒビの条件

• 運転席側のワイパーが拭き取る範囲（Aゾーン）内のヒビ 運転中の視界を妨げる可能性があるため、Aゾーンのヒビは厳しくチェックされます。

• 直径2cm以上のヒビ ガラスが脆くなり、安全性に問題が生じるため、車検に通らない可能性が高いです。

• 複数箇所のヒビや放射状の割れ 複数のヒビがあるとガラスの強度が大きく低下し、不合格の原因になります。

• ガラスの端にあるヒビ 端にできたヒビは振動で簡単に広がるため、車検には通らないと判断されます。

車検に通る可能性があるヒビ

• 助手席側の隅にあり、視界の妨げにならない場合
• 1cm以下の小さなヒビで、広がる心配がない場合

ただし、ヒビが拡大するリスクがあるため、車検に通っても早期の修理が推奨されます。

車検前に行うべきヒビの対策

小さなヒビであれば、DIYで応急処置を施すことで車検に通る可能性を高められます。また、大きなヒビの場合は、業者に修理や交換を依頼することが必要です。

DIYでの応急処置

1. ガラス補修キットを用意する
   レジン（樹脂）液と注射器、透明フィルムがセットになったものを使います。

2. ガラス表面を清掃する
   アルコールスプレーを使い、ひび割れ部分のホコリや油分を丁寧に拭き取ります。

3. 補修液を注入する
   ひび割れ部分にレジン液を注射器で少しずつ入れます。しっかりと奥まで浸透させましょう。

4. 透明フィルムを貼る
   補修液を均一に広げ、フィルムを押しつけて空気を抜きます。

5. UVライトまたは太陽光で硬化
   補修液が固まるまで30分〜1時間ほどUVライトまたは直射日光を当てます。

6. 余分なレジンを除去する
   固まった後、カッターナイフで表面を整えて仕上げます。

この応急処置は一時的なものであり、車検後も早めの修理が必要です。

業者に依頼する場合

ヒビが大きい場合や、視界に影響する場合は、専門業者による修理・交換が推奨されます。フロントガラス全体の交換が必要なケースもあります。

• 部分補修（5cm以下のヒビ）：10,000円〜20,000円
• フロントガラス交換：50,000円〜150,000円（純正品や社外品によって価格が異なります）

複数の業者から見積もりを取って、費用や対応の早さを比較しましょう。

ヒビを防ぐための3つの予防策

ガラスのヒビは突然発生することが多いですが、普段のメンテナンスである程度の予防が可能です。

• 飛び石対策フィルムの貼付
  飛び石によるヒビを防ぐために、フロントガラスに保護フィルムを貼るのが効果的です。

• 温度変化に注意する
  冬場に急激にエアコンの暖房を当てるとガラスが割れやすくなります。温度設定は徐々に行いましょう。

• 定期的な点検
  小さなヒビは早めに見つけて修理することで、大きな破損を防げます。

車両保険でのガラス修理・交換の対応

自動車保険に車両保険が付いている場合、ガラスの修理や交換費用が保険でカバーされることがあります。特約がある場合は、修理費用の自己負担を減らすことが可能です。

• 免責金額が設定されている場合、数万円の自己負担が発生することもあります。
• 保険を使うと翌年の保険料が上がる可能性があるため、修理費用と保険の活用を慎重に比較しましょう。

まとめ

車のフロントガラスにヒビがある場合、車検を通すためには位置と大きさが重要な判断基準となります。運転席側の視界を遮るヒビや大きな割れがある場合は、不合格になる可能性が高いため、事前に補修や交換の対応が必要です。小さなヒビであれば、DIYで応急処置を行うことで車検を通せることもありますが、車検後も早めの修理が推奨されます。

また、飛び石対策フィルムの活用や温度変化に配慮することで、ヒビの発生を防ぐことができます。さらに、車両保険の適用を検討し、保険を有効活用することも大切です。車検に向けて適切な準備を行い、安全で快適なカーライフを維持しましょう。