ペアガラスのスペーサーとは？役割と選び方のポイント

ペアガラス（複層ガラス）の「スペーサー」は、2枚のガラスの間に空気層やガス層を形成するために欠かせない部品です。スペーサーの性能は、ペアガラスの断熱性や耐久性に直接影響を与えるため、その役割を正しく理解しておくことが重要です。本記事では、ペアガラスのスペーサーの特徴、役割、選び方のポイントについて詳しく解説します。

スペーサーとは？

スペーサーは、ペアガラスの2枚のガラスを一定の距離で支える部材です。通常、金属製や樹脂製の細長い部品で、ガラスの周囲を囲む形で配置されます。スペーサーがガラス間の空間を確保することで、断熱性や遮音性が高まり、ペアガラスの効果が発揮されます。

スペーサーの素材

1. アルミニウム製

   • 最も一般的で、耐久性が高く加工が容易。
   • ただし、熱伝導率が高いため、断熱性能にやや影響が出る場合があります。

2. ステンレス製

   • 耐久性が高く、腐食に強い。
   • アルミニウムより熱伝導率が低く、断熱性に優れる。

3. 樹脂製（ウォームエッジスペーサー）

   • 熱伝導率が低く、断熱性能を大幅に向上。
   • 最新の省エネ住宅や寒冷地の住宅で採用されることが多い。

スペーサーの役割

1. ガラス間の空気層またはガス層を形成

スペーサーは、ガラス同士の距離を一定に保つことで空気層やガス層を作り出します。この空間が断熱性や遮音性の鍵となります。

• 断熱性：ガラス間の空間が温度の伝わりを抑え、外気の影響を軽減します。
• 遮音性：空気層が音の伝達を抑えるため、外部の騒音を軽減します。

2. 密閉性を維持

スペーサーには乾燥剤が内蔵されており、ガラス間の湿気を吸収して内部の結露を防ぎます。また、ガラス周辺をシール材で密閉する際の補助的な役割も果たします。

3. 構造の安定性を確保

スペーサーがしっかりとガラスを支えることで、ペアガラス全体の強度を保ちます。地震や風圧などの外力に対しても構造が安定します。

スペーサーがペアガラスに与える影響

1. 断熱性能

スペーサーの素材によって、ペアガラス全体の断熱性能が大きく変わります。特にアルミ製スペーサーは熱を伝えやすいため、枠部分から熱損失が発生しやすい傾向があります。

• ウォームエッジスペーサーなど、樹脂製のスペーサーを使用すると熱損失が抑えられ、省エネ効果が高まります。

2. 耐久性

スペーサーが劣化すると、密閉性が失われガス漏れや結露の原因となります。耐久性の高い素材を選ぶことで、ペアガラスの寿命を延ばせます。

3. 防音性能

ガラス間の距離が適切に保たれることで、空気層が十分な防音効果を発揮します。スペーサーが不適切だと、防音性能が低下する可能性があります。

スペーサーを選ぶ際のポイント

素材を確認する

断熱性能や耐久性を重視する場合は、ウォームエッジスペーサー（樹脂製）やステンレス製スペーサーを選ぶのがおすすめです。

ガラス間の厚みをチェックする

スペーサーが確保するガラス間の厚みは、断熱性や遮音性に大きく影響します。一般的には12～16mmが最適とされますが、用途や気候条件に応じて選ぶ必要があります。

製品の品質を確認する

信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、スペーサーの耐久性や性能を確保できます。特に寒冷地や省エネ住宅では高品質なスペーサーが必要です。

スペーサーの劣化と対処法

劣化の兆候

• ガラス内部の結露が発生する
• ガラス枠周辺から熱損失を感じる
• シール材が剥がれている

スペーサーが劣化すると、ガラス間の密閉性が失われるため、断熱性能が低下し結露が発生しやすくなります。

修理や交換の方法

• 劣化が軽微な場合は、シール材を補修することで対応可能です。
• スペーサー自体が劣化している場合は、ペアガラス全体を交換するのが一般的です。

まとめ

ペアガラスのスペーサーは、断熱性や耐久性を左右する重要な部品です。適切な素材や構造のスペーサーを選ぶことで、快適で省エネ効果の高い住環境を実現できます。

スペーサーの劣化が疑われる場合や、断熱性能の向上を検討している場合は、専門業者に相談し、最適なペアガラスを導入しましょう。