網入りペアガラス：特徴とメリット・デメリット

網入りペアガラスは、通常のペアガラスに防火性や防犯性を加えるため、ガラス内部に金属製の網が埋め込まれた構造の複層ガラスです。特に防火性が求められる場所や安全性を重視する窓に使用されることが多く、火災時の飛散防止や防犯対策として有効です。

この記事では、網入りペアガラスの特徴、用途、メリットとデメリット、注意点について解説します。

網入りペアガラスとは？

網入りペアガラスは、2枚のガラスで構成されるペアガラスの片方、または両方に金属製の網が埋め込まれているタイプのガラスです。以下の特徴を持ちます：

1. 防火性能
   　火災時にガラスが割れても破片が飛散しにくく、延焼を防ぐ効果があります。

2. 防犯性能
   　網があることで、侵入者が割って侵入しにくい構造となっています。

3. 断熱・防音性能
   　通常のペアガラスと同様に、断熱性や防音性も兼ね備えています。

主な用途

1. 防火地域や準防火地域の窓
   　防火性が求められる地域での建築基準を満たすために使用されます。

2. 防犯対策が必要な窓
   　1階やベランダに面した窓など、侵入リスクが高い場所に適しています。

3. 安全性を重視した窓
   　学校や病院、公共施設など、安全対策が求められる建物で使用されます。

メリット

1. 防火性

• 火災時にガラスが割れても、金属網が破片を保持し、延焼リスクを軽減します。
• 防火基準をクリアしている製品が多く、安心して使用できます。

2. 防犯性

• ガラスを割って侵入しようとする場合、網が抵抗となり、侵入を困難にします。

3. 安全性

• 割れてもガラス片が飛び散りにくく、事故のリスクが低減します。

4. 断熱・防音効果

• 通常のペアガラスと同様に、中間層（空気層やアルゴンガス層）による断熱性と防音性を持っています。

デメリット

1. 見た目の制約

• 網が埋め込まれているため、見た目が気になる場合があります。
• 景観を重視する場所には適さない場合もあります。

2. 熱割れのリスク

• 金属網が熱を伝えやすいため、日射が強い環境では熱割れが発生しやすいです。

3. 重量が増す

• 通常のペアガラスよりも重量が増えるため、取り付けには強度の高い枠が必要になる場合があります。

4. コストが高い

• 特殊な構造のため、一般的なペアガラスよりも価格が高くなる傾向があります。

網入りペアガラスの価格

材料費

• 一般的な網入りペアガラス（90cm×90cm）：25,000円～60,000円
• 防火性能や防犯性能を強化した製品：50,000円～100,000円

施工費

• 1窓あたり：15,000円～30,000円

総額

• 1窓あたり：40,000円～130,000円（材料費＋施工費）

網入りペアガラスの注意点

1. 熱割れ対策

• 窓の外側に日よけやシェードを設置して、ガラスに直接日射が当たらないようにしましょう。
• フィルムを貼る場合は、「網入りガラス対応」の製品を使用してください。

2. 設置場所の選定

• 防火性能が求められる場所や防犯対策が必要な窓に設置するのが効果的です。

3. 取り扱いに注意

• ガラスの交換や清掃の際、金属網に傷をつけないよう慎重に扱いましょう。

網入りペアガラスの選び方

1. 用途に応じた性能を選ぶ

• 防火性を重視する場合は、防火基準に適合した製品を選びましょう。
• 防犯性を重視する場合は、強化ガラスや防犯フィルムとの併用も検討してください。

2. サイズと厚みを確認

• 窓枠に収まるサイズで、適切な厚みの製品を選ぶ必要があります。

3. 信頼できるメーカーや業者を選ぶ

• 施工には専門的な知識が必要なため、実績のあるメーカーや業者に依頼するのがおすすめです。

まとめ

網入りペアガラスは、防火性や防犯性、安全性を兼ね備えた特殊な複層ガラスです。防火地域や防犯が求められる場所に最適ですが、熱割れリスクや見た目の制約があるため、設置場所や用途に応じて選ぶことが重要です。専門業者に相談して適切な製品を選び、安心で快適な住環境を実現しましょう。