ペアガラス内部の結露を放置するリスクと対処法

ペアガラス（複層ガラス）は断熱性や防音性に優れる窓ガラスですが、稀に内部結露が発生することがあります。通常、ペアガラスの内部は密閉されており、結露は起こらない構造です。しかし、密閉性が損なわれた場合に内部結露が発生します。これを放置すると、断熱性能の低下やカビの発生といった問題が生じる可能性があります。

この記事では、ペアガラス内部の結露を放置した場合のリスク、原因、対処法について詳しく解説します。

ペアガラス内部結露の原因

1. 密閉性の破損

ペアガラスの内部はガス（アルゴンガスなど）が封入され、外気と遮断されています。しかし、以下のような理由で密閉性が失われると、外気の湿度が内部に侵入し結露が発生します。

• 経年劣化による密閉材の劣化
• 衝撃や施工不良による破損

2. ガラスの老朽化

長期間使用していると、ガラスや密閉材の劣化が進み、内部に湿気が侵入する可能性が高くなります。

3. 製造時の不具合

初期不良として密閉性が不十分なガラスが存在する場合もあります。

内部結露を放置するリスク

1. 断熱性能の低下

結露が発生すると、ペアガラスの中間層が湿気を含むことで断熱性能が低下します。これにより、以下の影響が出る可能性があります。

• 冬場に窓から冷気が入り、室温が下がる
• 夏場に冷房効率が悪くなる

2. ガラスの劣化

結露の水分がガラスや密閉材に影響を与え、ガラス自体の劣化を早めます。

3. カビや汚れの発生

内部結露が長期間続くと、水滴が原因でガラス内部にカビや汚れが発生し、見た目が悪くなります。

4. 修理費用の増加

結露を放置すると、窓全体の劣化が進み、最終的には窓枠や他の部品の交換が必要になる場合があります。

ペアガラス内部結露の対処法

1. ガラスの交換

内部結露は通常の掃除では取り除けません。そのため、結露が発生したペアガラスを交換するのが最も一般的な対処法です。

交換費用の目安

• 一般的なペアガラス（90cm×90cm）：20,000円～50,000円
• Low-Eガラスなど高性能ガラス：30,000円～100,000円

2. 密閉性の修復（ケースによる）

密閉材の劣化が軽度であれば、専門業者が密閉性を修復することが可能な場合があります。ただし、この方法は限定的で、根本的な解決にはガラス交換が推奨されます。

3. 業者に点検を依頼

結露の原因が密閉性の問題である場合、ガラス自体の交換が必要ですが、原因が他にある可能性も考えられます。専門業者に依頼し、窓全体を点検してもらいましょう。

内部結露を防ぐ方法

1. 高品質なペアガラスを選ぶ

• Low-Eペアガラスやアルゴンガス封入ガラスは、断熱性能が高く、内部結露が発生しにくい仕様です。

2. 定期的な点検

• 窓枠やガラスの状態を定期的に確認し、密閉材が劣化していないかチェックしましょう。

3. 窓周りの湿気対策

• 室内の湿度が高い環境は窓の劣化を早める可能性があります。適度な換気や除湿機の使用を心がけましょう。

交換を検討するタイミング

以下の症状がある場合は、早めに交換を検討してください：

• ガラス内部の曇りや水滴が持続的に見られる
• 冬場の窓付近の冷気が増している
• カビや汚れが目立つ

結露対策の費用感と補助金

交換費用

• ガラスのみ交換：20,000円～100,000円（ガラスの種類により異なる）
• 窓全体の交換（フレーム含む）：50,000円～150,000円

補助金制度

• 窓の断熱改修工事は、自治体や国の補助金が利用できる場合があります。
• 住宅省エネリフォーム補助金などを活用することで費用を抑えることが可能です。

まとめ

ペアガラス内部の結露は、密閉性の破損や劣化が原因で発生します。これを放置すると断熱性能の低下やカビの発生などのリスクが高まるため、早めに対処することが重要です。根本的な解決にはガラス交換が必要ですが、費用負担を抑えるために補助金制度の活用を検討しましょう。定期的な点検や湿気対策を行い、快適な住環境を維持してください。