ペアガラスに内窓を設置するメリットと注意点

ペアガラス（複層ガラス）は断熱性や防音性に優れていますが、さらに内窓を追加することで、その性能を大幅に向上させることが可能です。この記事では、ペアガラスに内窓を設置するメリット、注意点、施工の流れについて詳しく解説します。

内窓とは？

内窓は、既存の窓の内側に新たに取り付ける窓で、二重窓の一種です。既存の窓と内窓の間に空気層を作ることで、断熱性や防音性を強化します。

ペアガラスに内窓を設置するメリット

1. 断熱性の大幅向上

• ペアガラス自体の断熱性能に加え、内窓を設置することで空気層が増え、室内外の熱移動をさらに抑えます。
• 冬は室内の暖かさを保ち、夏は室内への熱の侵入を防ぐため、冷暖房効率が向上します。

2. 防音効果の強化

• 二重の窓構造により外部の騒音が遮断され、静かな室内環境が得られます。
• 特に交通量が多い道路沿いや鉄道沿線の住宅に適しています。

3. 結露の軽減

• 内窓を設置することで窓面の温度が安定し、結露の発生を抑えます。
• 結露によるカビやダニの発生を防ぎ、健康的な住環境を実現します。

4. 防犯性の向上

• 窓が二重構造になることで、侵入にかかる時間が増え、防犯効果が向上します。
• 防犯性能の高いガラスを内窓に採用することで、さらに安心です。

5. 光熱費の削減

• 断熱性が向上することで冷暖房の使用頻度が減り、光熱費の節約につながります。

注意点

1. 窓枠のスペースを確認

• 内窓を設置するためには、既存の窓枠の内側に十分なスペースが必要です。
• 標準的な内窓の場合、5cm～10cm程度の奥行きが必要です。

2. 窓の開閉スペースの確保

• 内窓を設置すると開閉時にスペースが必要になるため、窓周辺の家具配置を考慮しましょう。

3. コスト

• 内窓の設置は初期費用がかかりますが、光熱費削減による長期的な節約効果を考慮すると、コストパフォーマンスは高いです。

4. 専門業者に依頼する

• 内窓の設置には正確な測定と施工が必要です。専門業者に依頼することで、性能を最大限に引き出せます。

内窓の選び方

1. サッシの素材

• 樹脂サッシ：断熱性が高く、結露を抑える効果がある。寒冷地や省エネ住宅に適しています。
• アルミサッシ：耐久性が高くコストを抑えられるが、断熱性能は低めです。

2. ガラスの種類

• Low-Eペアガラス：断熱性能が高く、寒冷地や省エネを重視する場合におすすめ。
• 防音ガラス：騒音対策が必要な場所に適しています。

3. サイズとデザイン

• 既存の窓に合ったサイズを選び、インテリアにマッチするデザインを考慮しましょう。

内窓の設置費用

内窓の価格

• 標準的な内窓：20,000円～50,000円（1枚あたり）
• 高性能な内窓（Low-Eガラスや防音ガラス）：40,000円～100,000円（1枚あたり）

施工費用

• 1窓あたり：10,000円～30,000円（設置条件による）

総費用

• 窓1箇所：50,000円～150,000円
• 部屋全体（4～5窓）：200,000円～500,000円

内窓の設置手順

1. 現地調査
   　専門業者が窓枠の寸法を測定し、設置可能か確認します。

2. 内窓の選定
   　使用目的に応じて内窓のサッシやガラスを選びます。

3. 取り付け作業
   　既存の窓枠に内窓を設置します。施工は通常1～2時間程度で完了します。

4. 仕上げと確認
   　取り付け後に動作確認を行い、隙間がないかをチェックします。

補助金制度の活用

内窓の設置は省エネ効果が期待できるため、自治体や国の補助金制度を利用できる場合があります。

主な補助制度

1. 住宅省エネリフォーム補助金
2. 地域の断熱改修支援制度

補助金の目安

• 窓1箇所あたり10,000円～30,000円程度

補助金制度を活用する際は、事前に専門業者や自治体に相談しましょう。

まとめ

ペアガラスに内窓を設置することで、断熱性や防音性を大幅に向上させることができます。設置には初期費用がかかりますが、快適性の向上や光熱費削減といったメリットを考えると、長期的に見て高い効果が期待できます。設置を検討する際は、専門業者に相談し、自宅に最適な仕様を選びましょう。また、補助金制度を活用することでコストを抑えることも可能です。