窓の鍵の種類をクレセント錠にすると？メリットや交換手順も解説

日本の窓の鍵は、クレセント錠という種類が主流です。世界的に見れば少数派の錠ですが、日本で愛用されるのには理由があるのです。この記事では、クレセント錠の特徴とメリット、交換手順などについて説明していきます。

そもそもクレセント錠とは？

窓ガラスのサッシに付いている締め金具をクレセントと呼びます。細長い三日月のような形状をしており、その金具で施錠するのがクレセント錠です。

引き違い窓との相性が良い

日本の窓は引き違い窓が主流で、これは左右にスライドさせて開閉する種類の窓です。世界の窓の主流だと思われがちですが、実は世界のスタンダードではありません。日本でこれほどまでに普及した理由は、価格の安さにあると言われていますが、引き違い窓との相性が良いことも要因の一つです。

クレセント錠の役割

窓ガラスに付いている三日月形状の金具は、日本人であれば誰もが見たことがあるはずです。クレセント錠はアメリカのクレセント社が開発したため、このような呼び名があります。

錠の開発におけるテーマは防音性で、騒音の侵入を防ぐために最適です。そのため、駅前や繁華街、道路沿いに建てられた家の防音対策に適しています。

その一方で、世の中のニーズの変化に伴って、クレセント錠を選択しないケースも見られています。他の種類の鍵よりも防犯性が低く、空き巣の手口が高度化するなかで、時代にそぐわないと考える人が増えてきたからです。

窓の鍵の種類をクレセント錠にするメリット

クレセント錠は防犯性が低いですが、メリットがないわけではありません。簡単に開閉・施錠ができますし、また防音性が高い、交換しやすいなど多くの魅力がある錠です。

簡単に窓の開閉ができる

クレセントを動かせば窓を開閉できるので、頻繁に窓の開閉をする家庭に向いています。鍵がなければ開閉できないタイプの窓は防犯性が高いですが、こまめに窓を開けて換気をするようなシーンでは使いにくいです。そのため日本では、現在でも気軽に取り扱いできるクレセント錠が好まれているのです。

優れた防音性がある

密閉性が高いので、寝室や勉強部屋の窓に適しています。室内をできるだけ無音に近づけたい、集中した環境で過ごしたい、騒音に由来するストレスを解消したいなどの状況で役立つでしょう。

取り付け費用が安価

シンプルな構造のクレセント錠は、価格が安いのが魅力です。リフォーム業者に依頼しても、1か所1万円未満で取り付けられることがあります。

自分で取り付けすることも可能

リフォーム業者に依頼すると、必ず錠の本体価格に加えて作業料金を請求されます。そのため、自分で取り付けする人が少なくないのです。

自分で作業すれば、クレセント錠の購入費用だけで済みます。価格帯は1,000円～35,000円程度と幅広いです。

窓の鍵をクレセント錠へ交換する方法

クレセント錠へ交換する作業は、プロでない方でも行えます。作業は錠本体とプラスドライバーさえ用意すれば、すぐに始められます。

作業の手順

1.上のネジを外してから下のネジを緩める
既存のクレセント錠を確認すると、上下に1つずつネジがあるはずです。ここで上のネジを外し、続けて下のネジを緩めてください。これでクレセント錠の本体が動くようになります。

2.上のネジを締めて仮止めする
錠をずらしたら、上のネジを締めて仮止めしてください。この作業は、クレセント錠の裏板を落下させないために必須です。裏板が落ちてしまうと、DIYで対応するのは困難になります。

3.クレセント錠を取り外す
ここで下のネジを外して、錠の本体を取り外してください。ここから新しいクレセント錠を取り付ける作業に入ります。

4.下のネジを仮止め
新しい錠を取り付けるときは、下のネジを仮止めします。このとき、クレセント錠の向きを間違わないようにしてください。

5.新しいクレセント錠をセットする
上のネジを取り外してから、新しいクレセント錠をセットし、上のネジを仮止めしましょう。

6.クレセント錠を固定する
最後にクレセント錠の鍵をかけた状態で、ネジを本締めしていきます。

まとめ

日本は引き違い窓を導入している家庭が多く、この窓とクレセント錠は相性が抜群です。この種類の錠は安価で防音性が高く、子どもでも気軽に操作できるなど、数多くのメリットがあります。また、DIYによる取り付けも比較的容易なので、業者に頼まずに自分で交換したい方にもおすすめです。